(少々時機を逸したが)ネットで話題の読み物二題
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
- メディア: 新書
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グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)
- 作者: 佐々木俊尚
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 新書
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SEなんて肩書きの割に、Googleと言えば検索エンジン、以上の認識があまりなかった私であるが、タダのサービスばかりガンガン投入してどうやって儲けているのかがよくわかってひとつかしこくなりました。Google、Amazon躍進の種明かし、ロングテールとWeb検索技術のかかわりなど、色々と目から鱗な記述が沢山。
読んだ上での疑問点他を列挙してみると。
- ネット上に陳列するのはゼロコストだから、ロングテールの製品を並べてもAmazonはペイできる、と言うが、そのロングテールの製品を(注文が発生するまでに)実際にストックしておくコストは誰が負っているのか。Amazonと取り引きしている別の問屋か。となるとAmazonの儲けは既存インフラにただ乗りしてる状態となるが、そんなことをいつまでも続けられるのか。
- web2.0技術によりAPIが一般に公開されるのはよいが、そのAPIがいつまでも公開されている、という担保無しに開発者が採用に踏み切れるものなのか。まあ、ある日突然APIの公開がうち切られるということは現実問題としてほとんどない様にも思えるが、決して0ではないリスクを考えるとなかなか採用に踏み切れないのでは。…でも、一から開発する費用よりはそんなに大きいわけでもないリスクの方を取る場合もあるか。多額の開発費を負担できない中小企業とか、個人とか。Web2.0ってのはむしろそういう人がサービスを提供するために技術、という話なのか。
- 上の続きで、私個人はむしろそんな無料サービスを使って大企業に対抗しよう、的な立ち位置の様な気もするなあ。そういやGoogle Maps/Google EarthとGoogle SketchUpを使うと、仕事柄なんかできんかなあ。
あとは、ネット技術の進化により、表現のためのコストが限りなく低くなる一方(ブログとか)、検索技術の発達により玉石混淆状態から玉だけを取り出す技術が猛烈に進歩し、それにともなって既存の権威(マスコミ等)が相対的に低下している、というあたりはなかなか興味深いですな。最近、マスゴミマスゴミ言ってる論壇系ブログに影響されてるせいか、権威にしがみつく連中がもがき苦しむのは痛快であります(笑)。