宮部みゆき「ブレイブ・ストーリー(中)」「ブレイブ・ストーリー(下)」

ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)

上巻が3/4くらい現実世界の小学生の日常生活だったのでどうなるんだろこれ、と思っていたが、中巻以降かなりまっとうな冒険話に。というか、序盤であれだけ日常の話を詳しく書いたおかげで幻界での冒険に重みが出てくるわけだが。まあともかく非常に正統派なファンタジーでした。電撃とかスニーカーの、萌え〜とか言ってるヲタ向けのファンタジーばっかり読んでる人には、ワタルくんのその真っ直ぐさは眩しすぎるよ…。なんか心が洗われた気がします。

映画の出来はどうなんでしょうかね。上にも書いたが、序盤の現実世界での話をきっちり描かないとその後の幻界での冒険に重みが出てこないので、その辺はしょられるとあまりよろしくないことになりそうだが。イントロを読んだ感じ、亘くんパパ家を出ていく→亘くんママ、ショックで倒れる→亘くん、運命を変えるために旅に出る、という流れのようだが、ちょっとこれでは軽すぎではなかろうかと思わなくもない。やはりここは原作通り、絶望のどん底までたたき落として欲しいところなのだが、アレをやると話がかなり子供向けでなくなるので仕方がないかもしれない。

ついでに言うと、亘くんママvs亘くんパパのお相手の女性のガチ勝負をぜひ映像で見たかったのだが、ここもカットだろうか。

とりあえず、製作がGONZOなので映像は問題ないと思うが、本業が声優でないキャスティングがどう出るか。しかしまあ、キャラクターの序列がどう見ても中の人ランクに引きずられてますな。なんでミーナがあんな下なんだか。役どころ的にキ・キーマとほぼ同列、つーか事実上幻界編のヒロインなのに。不憫だ(笑)。