ジェイムズ・グリック「カオス―新しい科学をつくる」

カオス―新しい科学をつくる (新潮文庫)

カオス―新しい科学をつくる (新潮文庫)

数学本読破強化月間継続ちう。

カオスというと、意味合いとしては日本語で言うところの「混沌」からイメージされる「なんかぐちゃぐちゃ」程度の認識しかなかったわけであるが。要するに、初期値のごくわずかな差によってその後の結果が大きく変わるという特徴があり、その特徴は方程式の非線形項に原因がある、ということだそうな。大気、海流、生物の個体数変動、心臓や脳の振動、などなどの現象に見られる複雑な乱れが、実は物理なり生物なりの本の初等レベルで出てくる程度のシンプルな方程式に内包されているというのはなかなか興味深い。しかし、海洋学者とか気象学者とか天文学者とか生物学者とか心臓医とか情報理論学者とか経済学者とかが一堂に会するカオス学会ってのはなんかすごい。まさに「カオス」。

前の本を読み終わってすぐに読み始めて、毎日コンスタントに読んでたのだが、読み終わるのに1ヶ月もかかってしまった。やはり内容が難解なのと、文字がページの下までぎっちり詰まっているせいだろう。つーかもうちょっと数式とか図解で説明してくれた方が分かり易いのだが。全部文章で説明されるとかえってよくわからん。