森博嗣「四季 秋」

四季 秋 (講談社文庫)

四季 秋 (講談社文庫)

四季シリーズ第3作。時系列的には「すべてがFになる」「有限と微小のパン」の後の話になるので(あとVシリーズも間に入るのか)、とりあえず記憶を掘り起こすためにこの2作も再読。いやしかし、「有限〜」の方が長ぇ。なんせ900ページ弱ですから。正月休みに実家で読んでたら、「…辞書?」とか言われる始末。

この作品で、S&MシリーズとVシリーズの人間関係の繋がりが明かされて、時代のズレに気づかせない文章力に感心させられた。ていうか普通に読んでてそんなこと気づくもんかね。もう一度Vシリーズを読み直すとまた違った印象になるんだろうか。

実のところ、この作品を読む前にwikipediaあたりで犀川先生の出生について微妙にネタばれを喰らっていたので、楽しみ半減かと思っていたが、作品内でのネタばらしがあまりにもトートツ過ぎるので、ネタばれなしで読んでたら却って理解に手間取ったかもしれん。ところでなんで犀川先生は「犀川」なの? という疑問が読み終わった後も残っているのだが、これは「冬」の方で解決されるのかしらん。