芋煮カレー。

…という珍妙な記述をYahooかどこかで見かけた。どうやら流行ってるらしい。「芋煮」と「カレー」がそれぞれ単独で出てくれば珍妙でもなんでもないが、続けて出てくると、ちょっとそれどうなのさ、と思わずにはいられない。最近、「冷たいシャンプー」だのこれだの、何かヘンなもの流行らせようと躍起になってないか我が地元。

…と、ふと思い出したことがひとつ。お盆休みに帰省したときにこんなものを見つけて買ってきたのだが。

日清どん兵衛芋煮うどん。まあ芋煮とうどんをくっつけたのはいいとしても、何でカレーペーストが入るのか不思議だったんだが、芋煮カレーが元ネタだったということか。ようやく合点がいった。

それはともかく、芋煮カレーだが。山形風芋煮の具材というと、里芋、こんにゃく、牛肉、ねぎ、あたりが基本線。後ろの2つはカレーとも合うかなという気もするのだが、問題は前の2つ。カレーに里芋、こんにゃくが入るってーと、私の頭の中では「究極超人あ〜る」の闇カレー(西園寺えりか作)しか思い浮かばないのだが。まあ、四の五の言ってるだけではよくわからんので、とりあえず作ってみた。ちなみにぐぐってみたもののまっとうなレシピが見つからなかったので、「和風カレー」というあたりから適当に想像してみた。

材料

牛肉(薄切り)、里芋、人参、舞茸、ぶなしめじ、白ねぎ、青ねぎ、米、カツオだし、カレールウ、日本酒、しょうゆ、サラダ油、片栗粉
※ こんにゃくはさすがにカレーの具としては合わなさそうな気がするので削除。また、山形風芋煮に人参は本来入らないが、これがないと見た目が茶色一色になりそうなので色味を考えて追加。そういや上のどん兵衛にも人参らしきものが入ってるな。

調理手順

  • お湯を沸かしてカツオ出し汁作成。酒も加える。
  • 皮を剥いて適当な大きさに切った里芋を加えて煮る。
  • 並行して、フライパンに油をひいて、牛肉、乱切りの人参、適当にバラした舞茸、ぶなしめじを炒める。適度に火が通ったら里芋の鍋に投入し、一緒に煮込みつつアクを取る。
  • 具材が柔らかくなったら一旦火を止めて、カレールウ投入。和風に仕立てる都合上、普通のカレーに比べるとルウの量は3/4程度。ちなみに、里芋の甘味があることを考えると辛口の方がいいような気がする。
  • ルウが溶けたら再加熱。数分煮込みつつ、しょうゆを加えて味を調整。
  • 白ねぎの斜め切りを加えてさらに煮込む。
  • 水溶き片栗粉でとろみを付ける。
  • ご飯とカレーを盛りつけて、トッピングに青ねぎを散らして完成。

試食


…見た目は普通のカレーとあんまり変わらんか。味は…蕎麦屋なんかで出しているカレー南蛮そば・うどんを思い浮かべてくれれば。まさにアレ。これだとご飯よりはうどんの方が合うかな、という気はする。
ただ、問題はねえ、里芋。いや別に不味くはないんだ。不味くは。ただ舌触りがどうもカレーに合わない気がする。「あ〜る」の台詞で出てくる、

まさにこの「ヌタッとした歯触り」がスパイスの辛みと微妙にミスマッチな気がして仕方がない。というわけで結論。里芋は抜くべし。もはや「芋煮」カレーの原型を止めていないが。
それと、普通のカレーだと冷たくなってもこれはこれで美味い(夜中に小腹が空いたときにつまみ食いすることがよくある)が、芋煮カレーが冷めると里芋の風味の自己主張が妙に強くなって何となく生臭くなるので、冷めたのを食べるのはお薦めしない。