観測技術衛星「だいち」の画像送信トラブルが改善

大事がなくてなにより。そろそろデータが回ってくるか?

ちなみに、当該記事内では「画像の一部が欠損する不具合」と言っているが、ということはCCDで可視・赤外のイメージ観測を行うPRISMかAVNIR-2のどちらか絡みのデータということなのだろうか。もう1つのセンサであるPALSARってのは、衛星からマイクロ波を発射してその反射波を観測することにより地表(正確には地表から少し潜ったところ)の様子を観測するものであり、このデータは地上に送信する時点では画像になってない(単なる反射波の時系列データ)と思うので、「画像の一部が欠損していた」という表現は微妙に違うような気がしなくもない。

でも、どうも問題があったのは地上の受信側みたいだしなあ。あまりそこまで厳密に区別つけて書いてはいないってことか。

ちなみに、時系列データから画像データへの変換は、何やらとっても難しい理論に基づいて行うものであり、会社の机の上にその難しい理論が書かれた100ページほどの数式とグラフが乱舞する書類があったりするのだが、とりあえず読んでみたけどよくわからん(笑)。この理論は、元々は金星の表面を探査するための機器開発研究が発端だそうな。マイクロ波は雲を透過するので、金星のような分厚い大気がある惑星の表面も観測できるということ。ついでに言うと、自分から電波を発射するタイプのセンサなので、可視観測のように太陽光の当たる昼間側に限らず、夜側でも観測が可能だという優れもの。アクティブソナーとパッシブソナーの違いみたいなもんか。ただし空間分解能が可視・赤外観測に比べると落ちるという欠点もあるが。

以上、蘊蓄垂れ終わり。

参照:JAXA・ALOSサイト